個人事業主の税金開業お役立ち講座

このブログでは現役の税理士である著者が実際にいただいた相談事項をもとにして税金に関する事柄を解説しています。読者登録していただくと泣いて喜びます(ToT)

個人事業主が節税でふるさと納税をする場合はここに注意!

個人事業主が節税でふるさと納税をする場合はここに注意!

ニュースやCMでやたら「ふるさと納税」という言葉を聞く。 ふるさとに納税なんかしてが何が得なんだろうな?
そもそも個人事業主やフリーランスでもふるさと納税する意味ってあるのか? 節税できるなら自分もふるさと納税したいけどなぁ…。

今やふるさと納税という文言はかなり一般的になりましたね。「納税」とはなっていますがこれも一種の節税になり得るというのはご存知でしょうか?

当ブログでは税理士である管理人が個人事業主やフリーランスの方からいただいたご相談などを事例ごとにご案内をしています。

今回は、個人事業主が節税を行う上でのふるさと納税について疑問をいただいた事例についてご紹介していきます。

個人事業主が節税でふるさと納税する時の誤解

ふるさと納税は劇的な節税策ではない

ふるさと納税をすると劇的な節税ができると思っている方がいらっしゃいます。しかし、ふるさと納税というのは単に課税のタイミングによる錯覚だったりもします。

通常の個人の納税の流れというのは下記のようになります。

  1. 所得税の確定申告をして
  2. 税務署に所得税を納税し
  3. それを基に計算した住民税が送られてきて
  4. 市区町村に住民税を納付する

ふるさと納税は上記のフロー以前に市区町村に寄付する事によってそれが所得税と住民税から控除されるという仕組みです。結果として上記2と4の納税の金額が減ります。

税金は安くなりますが、よくよく考えると一時的には実際にお金の支出があります。 それならばふるさと納税をする意味がないと思うかもしれませんね。

そこで登場するのが問題にもなっている豪華な「返戻品」たちです。 お肉や魚のような食料はモチロン、家電などもあります。(だいぶ減りましたが)

ご自身の所得による限度額を超えない限りは返戻品がタダでもらえるという事で単にふるさと納税しないで納税する場合よりもおトク感が得られるのです。

自分の住所にふるさと納税しても意味がない可能性もある

他の市区町村にふるさと納税してしまうと自分の住む市区町村の資金が減ってしまうというのは事実です。そこで自分の住む自治体にふるさと納税を行おうとする方もいらっしゃいます。

そもそもそのような事は可能なのでしょうか? 結論から申し上げますと「ふるさと納税自体は行う事ができる」となります。 ただ、その後に続く言葉として「自分の住む自治体だと返戻品がもらえない可能性がある」という事です。

もともとふるさと納税は「自分の育った故郷に寄付して応援しよう」というのが意義だったので、自分が現在住んでいる自治体に寄付しても返戻品がもらえないのは致し方ないのかもしれませんね。

節税という点では何も意味がありませんが、ふるさと納税は自身の納税をどのような事に利用するか(たとえば教育や自治体環境など)を指示できる自治体もあります。

そういった点では自分の住所がある自治体にふるさと納税するのも意義のある事かもしれませんね。tだ、ほとんどの方はそのためにわざわざふるさと納税はしないと思いますが…。  

個人事業主が節税でふるさと納税する時の悩み

「実質2,000円で返戻品がもらえる」という意味が分からない

ふるさと納税をした金額は自分の所得の金額によって100%控除できる金額が異なります。 そして所得税の寄付金控除の計算式として寄付金控除は支払った金額を100%控除できるわけではないのです。

寄附金控除の金額

次のいずれか低い金額-2千円=寄附金控除額
イ その年に支出した特定寄附金の額の合計額
ロ その年の総所得金額等の40%相当額
「総所得金額等」とは、純損失、雑損失、その他各種損失の繰越控除後の総所得金額、特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等に係る配当所得の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額及び退職所得金額の合計額をいいます。

No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)|国税庁

つまり、限度額の範囲内だろうと無条件で2,000円が引かれます。

そのため2,000円は控除されるが返戻品がもらえるので得すると考えるのです。 中には金券的なもの(旅行チケットやAmazonギフト券)もありますから、本当にキャッシュ的に得する場合もあるのです。

なお、2,000円というのはふるさと納税を複数の市区町村に行おうが2,000円のままです。

個人事業主のふるさと納税の限度額はポータルサイトですぐに出せます

それでは自分の寄付金控除の限度額というのはいくらなのかというと、それはご自身で計算していただくしかありません。

その際にはふるさと納税のポータルサイトのシミュレーションを使用すると良いです。 

参考:さとふる「ふるさと納税控除上限額シミュレーションのご案内」

 

個人事業主やフリーランスの場合には限度額をシミュレーションする時に注意していただかないといけないのが、ほとんどのサイトは「給与所得」が前提となっている事です。 収入金額に事業の売上金額を入れてしまうと勘違いをしやすいです。

個人事業主やフリーランスの方は自分で行うときには収入金額のところに事業所得の金額を入れてしまうのが一番手っ取り早いですね。 「給与所得控除後の金額」という欄があればそこに同額を入れます。

そうする事で個人事業主やフリーランスの方でもかんたんにふるさと納税の目安となる限度額は出す事ができます。

所得控除についてはご自身の前年の確定申告書を使用すると良いでしょう。何も分からない方はとりあえず38万円(2018年時点での基礎控除の金額)を入れておけば大体の目安は出ます。

この計算によって出した限度額を超えてふるさと納税をしてしまいますと所得税と住民税が安くならない本当の寄付になってしまいます。 限度額をオーバーしてしまう方も結構いらっしゃいますのでご注意ください。  

節税でふるさと納税する個人事業主へのアドバイス

簡単にふるさと納税をしたいならポータルサイトを使おう

今やふるさと納税をしようとすると重要なのは「どんな返戻品がもらえるか?」なんですよね。であればどんな返戻品が各市区町村にあるのかを調べたいですよね。

ポータルサイトの「さとふる 」ならばランキング形式で返戻品が分かるようになっていたり、種目別などでも選ぶことができます。 選ぶのにハマり過ぎて本業がおろそかにならないようにご注意くださいね。

管理人の場合にはあまりこだわりがないので「どこにふるさと納税をするか?」などは料理をしてくれる妻にすべて任せてしまっています(笑)

以上がお伝えしたかった「個人事業主が節税でふるさと納税する」についての内容となります。 本稿が少しでもあなたのお役に立てましたら幸いです!