個人事業主の税金開業お役立ち講座

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開業した個人事業主の簿記に多い誤解や注意点を税理士が解説

個人事業主の簿記

個人事業主として開業したからには経理も自分で行うか。 経理と言えば会計ソフトがあるか。 会計ソフトの種類も結構色々な種類があるようだ。
さて、どんなソフトを使うか。 本当に自分ですべて経理をやらないといけないのか?
会計に悩まずに事業に集中できる方法はないだろうか…。 

当ブログでは税理士が事業を営む方からいただいたご相談などをご案内をしています。

今回は「開業した個人事業主の簿記の知識」についてをご紹介していきます。

開業した個人事業主の簿記に多い誤解

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簿記の知識は個人事業主は必須!?

個人事業主は必ずしも簿記を知っておかないといけなければいけないのでしょうか?
答えとしては「青色申告の65万円控除を行うのであれば必須」です。

というのも白色申告と青色申告の10万円控除を行うのであれば、正直なところノートにお小遣い帳のようにメモしておくだけでも事足ります。 しかし、65万円控除を行う場合には国税庁の方で下記のように記載されているのです。

これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則、(一般的には複式簿記)により記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付して法定申告期限内に提出している場合には、原則としてこれらの所得を通じて最高65万円を控除することとされています。

No.2070 青色申告制度|国税庁

この正規の簿記の原則に従った処理こそが複式簿記とされているので、簿記の知識が必要になると言えます。

なお、現在は会計ソフトできちんと入力していけば自ずと複式簿記の形式となります。

白色申告なら簿記の知識は必要ない?

特典が受けられない白色申告ならば簿記の知識は本当に必要ないのでしょうか? 収支内訳書を作成するだけならば簿記は分からなくても良いかもしれません。

しかし、簿記は「20世紀最大の発明」と言われています。 そういわれる所以として、日々の事業の取引はすべて簿記の仕訳に起こす事ができます。

つまり、簿記を知る事は取引を数字と言葉で明示できるのです。 極端な話、簿記で言葉が通じなくても会話ができるほどです。
そこから派生した財務諸表である貸借対照表や損益計算書も読めるようになれば経営には鬼に金棒です。

ここまでのメリットがあるのですから、簿記を学ばない手はないと言えますね。

開業した個人事業主の簿記に多い悩み

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簿記はどうやって勉強すれば良い?

簿記はどのようにして学べばよいのでしょうか? 一番手っ取り早いのは書籍を読むことです。大手の出版社から書籍で色々な簿記の書籍は出ています。

管理人のおすすめは以下のいずれか2つを挙げておきます。 自分で気に入ったものを選んでみてくださいね。

  1. スッキリわかる 日商簿記3級 第9版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)
  2. みんなが欲しかった 簿記の教科書 日商3級 商業簿記 第6版 (みんなが欲しかったシリーズ)

  2級以上は製造業などの工業簿記が必要になる場合に必要ですが、ほとんどの場合、実務は簿記3級で十分に経理に対応できます。

個人事業主さんですと本業もあるでしょうから、あまり時間をかけ過ぎずにサクッと調べてみるぐらいの感覚で良いでしょう。

日商簿記3,2、経理の仕事に役立つ150以上の動画を学ぶサイト【Accountant's library】

簿記の試験に合格できないと経理はできないのか?

簿記の知識が必要であるという話をすると、試験を受けようとする方がいらっしゃいますがそこまでの必要はありません。 手段が目的になってしまうことほど無駄はありません。

ただ、何かしらのレベルを計るのに簿記の試験に申し込むのは良いとは思います。 もともとは何のために簿記を学ぶ必要があるのか?を考えていただければと思います。 簿記を学べば数字に強くなるので、事業の経営にプラスになるのは確かです。

個人事業主ですと自身だけでなく、自分の奥さんに経理を任せる方も多いです。
実際に管理人のところに相談にご夫婦でいらっしゃって、一から奥様が経理を始めるようになるという事も多々あります。 皆さんすぐに経理にも慣れていき、会計ソフトへの入力も短期間で上達します。
どうか初めから毛嫌いせずに簿記や会計ソフトを使って挑戦してみて下さいね! 

開業した個人事業主の簿記へのアドバイス

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最近のトレンドはクラウド会計

以前よりインストール型のソフトは敷居が高いと言われていました。 特に会計ソフトでシェアが高いソフト(弥生会計やJDL)は昔からゴリゴリの経理の方が使うようなタイプに仕上がっています。
どちらかと言えば玄人向けもしくは税理士側に立った作りです。

しかし、最近流行ってきているクラウド会計ソフトは自動取込で預金通帳と同期できるだけでなく、クレジットカードやAmazonのアカウントとも連携できます。

特に管理人がおすすめするのは「MFクラウド会計」か「会計freee」です。 これらは無料期間でお試しする事ともできるので、ぜひ使って自分に会うものを試してみてくださいね。

無料から使える会計ソフト「freee(フリー)」

会計と税務は税理士に一任してしまう

だいぶ経理の世界が楽になったといっても、根本はそこまで変わっていないのは確かです。 時代の流れは自計化(自分や自社で経理する)が流行っていますがそれも結構な労力がかかります。 税理士に依頼して作業をアウトソーシングしてしまうというのも立派な選択でしょう。

経理すべてを任せて確定申告のストレスを減らすのでも結構ですし、一部をスポットで依頼しても良いかもしれませんね。

相談者ごとのニーズに答える税理士事務所が増えていますので一度税理士を検索されてはいかがでしょうか?

税理士ドットコムで最適な税理士選び

あなたの事業の成功を心から願っております。

 

以上がお伝えしたかった「開業した個人事業主の簿記」についての内容となります。
本稿が少しでもあなたのお役に立てましたら幸いです。

最後までご覧いただきましてありがとうございました。